終活のよくある失敗パターンあるあるシリーズです。
フィクションですが、よくあるシチュエーションとオチなので、リアルに想像していただけるのでは?と思います。
自分や、身の回りのどなたかの状況と重ねながら読んでみてください。
終活の失敗事例:CASE3
※以下の事例は、「ひとり終活」は備えが9割 からの引用です。
夫が亡くなって以降、自宅で一人暮らしをするYさん(83歳)。
長男が一人いたのですが、働き盛りの50代で若くして他界してしまいました。長男は結婚し取らず、Yさんは独り身の状態です。
親族としては兄がいるのですが、遠方に住んでいます。以前はよく電話をかけていましたが、兄の持病が悪化し、入退院を繰り返すようになっています。様子が気になり、何度か電話をしてみました。兄の奥さんが出るのですが、兄の状況についてあまり詳しく教えようとはしません。
いよいよ兄とも連絡取れなくなり、不安になったYさんは、いつぞやどこかでもらってとっておいたパンフレットのことを思い出しました。
そのパンフレットとは、ある高齢者サポート団体のものでした。
「おひとりさま安心サポート、家族の代わりになります」と標題に書いてあり、何かの折に利用するかもしれないと思い、取っていたのです。
パンフレットによると、生活支援や金銭管理、葬儀・納骨の代行など幅広く対応してくれると書いてあります。
今の状況を考えると、将来のために自分もP加入していたほうがいいのではないかと考え始めました。
そこで、パンフレットに書いている電話番号に電話をかけ相談してみました。詳しくは実際にお会いしてからとあり、後日、担当者に自宅に来てもらうことになりました。担当者は資料を元に支援の内容を説明してくれました。
全てお任せしたほうがいいと思っていたYさんは、担当者に申し込みをしたい旨を伝えようとしました。
トコロが、よくよく聞いてみると、トータルパックだとカナリの金額になってしまうことが分かってきました。費用項目を見ると、見守りは◎◎円、病院付き添いは◎◎円など、支援内容ごとにそれぞれ金額が設定されています。すべて頼んでしまうと、入会金などを含め大きな出費になります。
今後の生活もアリ、手元にお金は残しておきたいというのが正直なところです。今は自分で買い物などにも行けるので、とりあえず入院して自分では金銭管理ができなくなった時に備え、「金銭管理支援」を申し込むことにしました。
その場合、「任意後見契約」も必要とのことで、後日、諸々の契約を行いました。
それから5年の月日が流れました。あれだけしっかりしていたYさんでしたが、認知症が進行してしまいました。そんな頃、兄の依頼を受けた兄の子供が、Yさんの様子を見にやってきました。
家の中に入ると、びっくりしました。廊下には荷物が至る所に置かれ、郵便物や昔取っていた新聞が部屋中に散らかっています。お風呂に派なぜか段ボールが押し込まれていて、入浴しているのか疑わしい様子です。
そして、極め付きがテーブルにある契約書です。どうも宝石購入の契約書のようですが、かなり高額な内容となっています。そこには、本人の署名と押印もあります。
本人に訪ねても「知らない」「よくわからない」の一点張りで、詳しい状況を把握することができません。
積み重ねられた書類の下には、10年前に高齢者サポート団体と結んだ契約書が隠れています。きづかれず活かされることなく、埋もれたままとなっていたのです。
終活の失敗事例:解説
失敗終活の伏線
このケースの失敗の伏線は次のとおりです。
- おひとりさま
- 認知症や事故などの変化に気づいてもらう備えがなかった
失敗終活の解説
Yさんは、事前に認知症に対して備えていたにもかかわらず、サービスを利用できていませんでしたが、それはなぜだか分かりますか?
ちなみに、高齢者サポート業者が手を抜いていたり、架空のサービスと契約していたわけではありません。
理由は次の通りです。
【任意後見、金銭管理支援が活かされなかった理由】
- 認知症になった・金銭管理支援が必要になったことを、サポート業者が知らされていないため。
Yさんの契約した「任意後見制度+金銭管理支援」は、認知症になった後から履行されるサービスです。
つまり、Yさんが契約した当時は「認知症ではない」ため、サービスは開始されていませんでした。
では、サービスを開始するにはどうすればよかったのでしょうか?
「誰か」が、「Yさんが認知症になったので対応してください」と、サービス業者に連絡できていればよかったのです。
Yさんが適切な時期に申込済みのサービスを受けられなかった理由は次の2つだったんです。
【Yさんが適切な時期にサービスを受けられなかった理由】
- 認知症などの異常に気付いてくれる人を定めていなかった。
- 認知症になったと判断し、業者に連絡してくれる人を定めていなかった。
この事例を成功させる解決策
申込済みのサポートサービスを適切な時期に利用できるかどうか?は、異常に気付いて連絡してくれる人がいるか・いないかの違い、と言っても過言ではありません。
もしも…の時のサービスを申し込んでいても、「もしも…」を業者に知らせることができなければ、何時まで経ってもサービスは利用できないからです。
なお、「もしも…」の真っ只中に自ら業者へ連絡できる人はほとんどいないため、家族や第三者にお願いするのが一般的な対策となります。
【もしもの時に備えた対策例】
- 自宅の目立つところに、万一のときの連絡先(サポート業者・緊急連絡先)を貼っておく。
- 頻繁に顔を合わせられる知人を持つ。
- 民間の見守りサービスを申し込む。
ちなみに、異常に気付いてくれる人・適切な箇所へ連絡する人が必要なのは、体力も判断力もしっかりしている自活できている一人暮らしの方です。
自活が難しい方の場合だと、利用している介護サービスの担当やケアマネなどが、この役割を担ってくれることが多く、以外にも漏れにくいです。
「自分は大丈夫!」と思っている方こそ、異変に気付いてくれる人の存在が重要になることを理解しておきましょう。
【見守りサービスとは】
- 電話や対面で定期的にコミュニケーションを取ってくれるサービスです。
- 自活可能な高齢者や子供の安否確認、孤立しやすい環境の方との社会とのつながりとしても機能します。
- 身体や判断力が弱った高齢者向けのサービスだと思ってる方が多いですが、実際には自活できる方にこそ必要なサービスです。
※判断力や身体が弱った方は、福祉施設や医療機関のサポートで補填できることが多いです。
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終活の失敗事例 まとめ
高齢者サポートサービスを利用する方は、「異常を感知して業者に知らせる人」についても必ず準備しておきましょう。
ここの備えがないと、もしものときのサービスを結んでいても利用できない可能性が高まります。
家族や知人がいる方は、普段から「高齢者サポートを利用していること」・「万一の場合は連絡してほしいこと」を伝えておきましょう。
頼れる家族や知人がいない方は、民間の見守りサービスを利用するのがおすすめです。
見守りサービスは、高齢者サポート業者でも取り扱っていることが多いので、契約する際にはぜひ併せてご検討ください。
高齢者サポートサービスや見守りサービスについてのお悩み・ご相談は、シニア身元保証協会でも承っています。
ただいま無料相談会を実施中ですので、この機会にぜひご連絡ください。
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