終活のよくある失敗パターンあるあるシリーズです。
フィクションですが、よくあるシチュエーションとオチなので、リアルに想像していただけるのでは?と思います。
自分や、身の回りのどなたかの状況と重ねながら読んでみてください。
終活の失敗事例:CASE1
※以下の事例は、「ひとり終活」は備えが9割 からの引用です。
子供はいないが、これまで妻と2人で楽しく過ごしてきたNさん(78歳)
若い頃は結婚式など慶事によく呼ばれていましたが、最近はすっかり弔辞が多くなっとしみじみ感じています。
先日も会社員時代に同僚だった知り合いが亡くなったと連絡があり、葬儀に参列しました。息子さんが喪主になっていて、自分の場合は妻がなるのかと思わず想像してしまいました。
子供のいない自分たちは何か準備したほうがいいのだろうと、漠然とは考えています。
あまり考えすぎると気がふさいでしまうので、そこまで深刻にならないようにしようと思いなおしました。それよりも今を楽しんだ方がいいだろうと気分を改めることにしたのです。
そんなふうに思い悩んでいた丁度そのころ、地元で同窓会があると案内状がとどきました。5年に1回開催されている同窓会で、Nさんは毎回参加しています。仲の良い友達とは同窓会以外でもあっているのですが、やはり同窓会でみんながあつまるとひと味違います。今回も出席で返事をしました。
同窓会当日、Nさんは5年前とは様子が異なることにすぐに気が付きました。
まずもって、自分の世代の参加者が減っているのです。漢字をしている同級生に聞いてみると、「◎◎は入院している」「◎◎は去年亡くなった」など思いもよらぬ情報が入ってきます。
自分もそういう年齢になったのかと実感しました。「髪がなくなってだれか分からん」などと冗談を言い合っていたのが嘘みたいです。
同窓会のあと、Nさんはふらっと書店に立ち寄りました。店内をうろうろしていると、終活コーナーが目に留まりました。そこには関連本が沢山置いてあります。
これまでであれば見向きもしなかったNさんでしたが、同窓会に参加したことにより気持ちの中で少し変化がありました。並んでいるほんのタイトルを見ていると「エンディングノート」と書いてあるものがありました。
中身をめくると、所有している財産や口座がある銀行の情報、葬儀に関する希望、家族への感謝の言葉などが書き込めるようになっています。前書きを呼んでみると「全部記入する必要はなく、かけるところから書いて大丈夫」とあります。
同窓会では終活にも話が及び、「家族のためにエンディングノートは書いた方がいい」と友人が言っていたのを思い出しました。これも何かの縁だと思い、]購入することにしました。
後日、エンディングノートを書店の袋から取り出しました。せっかく買ったのだし、少し書いてみることにしました。億劫になるのも位だったので、細かい所は気にせずかけそうな箇所を探しました。
自分の情報については妻が知っているだろうとページを飛ばしながら、財産は誰に遺したいかといった内容のページがあったので、ソコは書き込みました。財産の内容を記し、残す相手は妻としました。そのほかにもかけそうなところは記入し、Nさんは「自分としてはよくやった」と満足しました。
ただこの時、説明書きをよく読んでいなかったので、大きな見落としをしてしまいました。
注意が気に、「エンディングノートは財産や自分尾気持ちを整理し、大切な家族にそれらの情報を伝えることを目的としてます。これを元に法的効力がある遺言の作成などを検討しましょう」とあったのをNさんは気に留めることなく確認を怠ったのです。
その後、Nさんは亡くなってしまったのですが、エンディングノートは遺言として使えませんでした。
Nさんの相続人は、妻であることに代わりません。しかし、子供がいないNさんの場合、Nさんの兄弟や姉妹も相続人となります。Nさんは子供の頃に養子となり、実際の親との間にも兄弟がいたのです。相続人が複数いることが、その後の調べでわかりました。
妻はまず、その兄弟や姉妹の連絡先を調べる必要があります。連絡がついたとしても、今度は事情を説明し、遺産分割に関し同意を貰わなければなりません。連絡がついたらエンディングノートを見せようとは思うのですが、果たしてどこまで考慮してもらえるか未知数な状態です。
終活の失敗事例:解説
終活の失敗の伏線
このケースの失敗の伏線は次のとおりです。
- 子供のいない夫婦
- 遺言書未作成
- エンディングノートに法的効力があると漠然と思い込んでいた
終活失敗の解説
子供がいない夫婦の場合、パートナーが亡くなった際の相続では、想定していない相続問題に巻き込まれるケースが度々見られます。
というのも、子供のいない夫婦の場合、相続権は亡くなった方の親や兄弟・姉妹にも発生するからです。
【遺産相続の順位】
- 第1順位:配偶者と子ども
- 第2順位:親
- 第3順位:兄弟姉妹
- 代襲相続:孫やひ孫、甥姪が相続する可能性もあり
当初は相続権のある親族はいないと思っていたのに、この事例のように調査を進めると本人すら知らなかった親族がいることが判明するケースも割と珍しくありません。
また、遺産相続をするためには調査と手続きを経る必要があり、相続権のある人たちの合意がとれない場合は解決するまでに長い時間がかかることもあります。
【遺言書のない場合の遺産相続の流れ】
- 相続人の確定(全員の戸籍を取り寄せて調査)
- 相続財産の確定(資産台帳を作成)
- 遺産分割協議(相続権をもつ全員での協議)
- 相続財産の名義変更
- 相続税の納付
「親や兄弟とは仲良くなかったし、遺産は全部パートナーに遺すつもりだった…」と思っていたところで、遺言書がない相続では社会的は何ら考慮してもらえません。
そうなると、本人の意思とは関係なく、不仲だった親族や会ったこともない親族にパートナーの貴重な遺産が配分される可能性もあります。
また、最近増えている事実婚の場合、パートナーには法的な相続権がないことも留意しておく必要があります。
- 遺言書がない相続は相続順位に基づいて遺産配分が行われる
- 遺産の相続には調査~相続権全員の合意などの手続きが必要で、長い時間がかかる場合がある
- 家族の知らなかった相続人が出てくる可能性がある
- 事実婚の場合、パートナーに相続権がない
この事例を成功させる解決策
遺産相続を完全にコントロールしたいときは公正証書遺言書を作成するのがおすすめです。
効力のある遺言書を作っておけば、相続時の調査や相続権を持つ人の合意も不要となり、遺言書を優先して相続を進めることができます。
希望通りの遺産配分ができるだけでなく、相続までの手続きがスピーディーになるのも大きなメリットです。
特に事実婚をされている方、相続配分をしっかりコントロールしたい方は、遺言書無しでは実現できないと思っておきましょう。
【公正証書遺言書のメリット】
- 相続順位に関係なく希望通りに遺産配分ができる
- 相続人の調査や合意などが不要でスピーディーな遺産配分ができる
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終活の失敗事例 まとめ
「たいした資産家でもないから…」と、相続についてあまり真剣に考えていない方も多いのですが、遺言書のない相続は下手をすると相続までに長い時間を要することも珍しくありません。
ほとんどの場合、相続のことで遺族に多大な手間をかけさせることも、無駄に時間をかけさえることもご本人の本意ではないでしょう。
子供のいないご夫婦や事実婚の方、相続配分をきちんとコントロールしたい方、遺産相続で遺族に手間と時間をかけさせたくない方にとって、公正証書遺言書の作成はマストな終活と言えます。
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