終活のよくある失敗パターンあるあるシリーズです。
フィクションですが、よくあるシチュエーションとオチなので、リアルに想像していただけるのでは?と思います。
自分や、身の回りのどなたかの状況と重ねながら読んでみてください。
終活の失敗事例:CASE2
※以下の事例は、「ひとり終活」は備えが9割 からの引用です。
市営住宅に住むDさん夫婦(夫66歳、妻74歳)は、夫婦水入らずで暮らしています。
2人は同じ職場で出会い、職場結婚しました。働いている頃は一緒に職場に行くことも多く、これまで夫婦共有の時間を長くすごしてきました。
夫の方は仕事一筋の人で、趣味と言える趣味はありません。仕事が終わって家に帰り、お酒を飲むくらいが唯一の道楽でした。職場以外で人と接することもなく、外に行く際はいつも妻と一緒です。
先日お墓詣りに行った際、たまたま住職と会いました。妻は自分たちが夫婦2人だけであることを心配し、今あるお墓や永代供養のことをこの機会に相談しようと思いました。
お寺と話しができるちょうどいい機会だと思い、夫に、「あなたも来て、ご住職さんにいろいろおしえてもらいましょう」と呼びかけましたが、「俺はいいよ、代わりに話を聞いといてくれ」と足早にお寺の門をヌケ、ひとりタバコを吸い始めました。
こんな感じで、夫が将来のために何か準備するようなことはありません。すべてス妻任せで我関せずの状態です。もともと人と接するのが苦手だったので仕方ないとは思いつつ、そろそろ将来のことを考えねば、と妻は心配しています。
しょうらいのことにはこれっぽっちも関心を示さない夫ですが、仕事は一生懸命にしてくれたおかげで、幸いお金の心配をする必要はなさそうです。住宅を購入することもなく、質素に暮らしてきました。何かあればこれまでに溜めてきたお金で対応できるだろうという安心感はあります。
いずれにせよ、夫は自分がいなければなにもできない人だと分っています。自分のほうが年上だけれども、男性のほうが先に逝ってしまうことが多いので、「自分さえしっかりしていればなんとかなるだろう」というのが妻の考えでした。
そんな折、夫の体調に異変が出ます。手足がしびれ、思うように身体が動かなくなってしまったのです。これまでお酒やタバコを嗜好してきたこともあり、血管が詰まって動脈硬化を起こし、合併症を発症しているとの事でした。脳梗塞も起こしており、認知症が進行しているとの説明を受けました。
確かに、言われてみると、最近ますます自分で動かなくなったと感じていました。夫の性格によるものだと安易にとらえていましたが、知らず知らずのうちに認知症Gあ進行していたのです。
夫が入院したあとは、毎日の様に病院に通う妻。ただ、住宅が坂の上にあり、若いころはよかったものの、今は負担となります。タクシーを使うことも検討しましたが、夫婦2人の老後に派お金が大事という認識が強く、そこにお金を使う気にはなれません。変わらず1時間に1本のバスで病院に向かいます。
いよいよ夫がねたきり状態になってきました。そして、リハビリを嫌がるようになっていると担当者から連絡がありました。自分が行かなければ、と妻は焦るばかりです。体調を崩しながらも、何とか毎日病院に向かいます。
そんな状態が続いていたある日、妻は行人に行けないほどに体調を崩してしまいました。介護疲れで心身共に疲れ切ってしまったのです。ますます不安が募り、夜も眠れないようになってきました。そんな中にあっても、夫のためにしっかりしなければと自分を奮い立たせました。夫には自分しかいない….。このままではいけないと、妻は睡眠薬を多用するようになってきました。
そして、ついに不幸が起こります。薬の影響かどうかはわかりませんが、妻が亡くなってしまったのです。
夫のことは自分が最後まで見ると考えていた妻の方が、先に亡くなってしまう事態となりました。想定していなかったことが現実に起こってしまったのです。
残った夫のお世話は、これから一体だれがするのか….?
今後の事を夫に確認することも、もう難しくなっています。
終活の失敗事例:解説
終活の失敗の伏線
このケースの失敗の伏線は次のとおりです。
- 子供のいない夫婦
- 任意後見人の未選出
- 遺言書未作成
終活失敗の解説
子供がいない夫婦の場合、パートナーが亡くなった瞬間におひとりさまになってしまうことは珍しくありません。
でも、遺されたほうが体力・判断力ともに充分なら、ひとりになってもその後の生活を立て直すことはできるでしょう。
ですが、遺されたほうの体力か判断力のどちらかが低下している場合、遺族のその後の生活が困難になる可能性は高まります。
事例の夫婦のように、片方が終活に対して消極的だと、つい「自分が面倒見ればいい」と考えたくなる気持ちは良く分かりますが、どちらが先に亡くなるのかは誰にも分からない事です。
特に子供のいない夫婦の場合、どちらが先に亡くなってもよいように、2人が元気なうちに備えておくことがとても重要です。
- 夫婦のどちらが先に亡くなるかは誰にも予測できないので、どちらかが先に逝く前提で老後を設計するのはリスクが高い
- 子供のいない夫婦は、遺族の方が身体と判断力が低下している可能性も考慮して備える
この事例を成功させる解決策
この事例を成功させるポイントは次の通りです
- パートナーのサポートは自分の体力と相談しながら無理のない範囲で行う
- パートナーが認知症を発症した段階で、万一に備えて任意後見を準備しておく
- 2人判断力があるうちに、死後事務や葬儀支援も取り決めておくと尚いい
高齢者自身が介護・介助をする場合は、無理は厳禁です。
特に子供のいない夫婦の場合、元気な方が倒れたら共倒れする可能性もあります。
支える側の体調管理は、要介護・要介助者と同じくらい重要です。
また、夫婦のどちらかが認知症になった場合は、もう「待ったなし!」の状態です。
いつ何が起きるか分かりませんので、どちらに何があっても良いように、なるはやで万一に備えるのが賢明です。
【パートナーが認知症を発症したら、なるはやで検討してほしい備え】
- 認知症患者に代わって意思決定を行ってもらう:任意後見制度
- 自分の遺産をパートナーに100%配分する:公正証書遺言書
- 自分の死後の事務処理を委任する:死後事務委任
- 自分の葬儀や納骨を委任する:納骨支援・葬儀支援
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終活の失敗事例 まとめ
「夫婦のどちらが先に亡くなるか?」は誰にも予測できないことなので、どちらかが先に逝くことを前提に、終活の備えを後伸ばしにしてしまうのはとても危険なことです。
特に子供のいない夫婦の場合、どちらかに体力か判断力の低下が見られたら、状況はひっ迫していると考えてください。
年齢を重ねるほど状況が良くなることは稀なので、終活の備えが不十分なままだと、どちらが先に亡くなっても、その後の遺族の日常生活は大変になることが予想されます。
つい終活の備えを先延ばしにしていた方も、どちらかの体力・判断力の低下が見られたときは、なるはやで万一に備えるのがおすすめです。
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